【必見】独立開業時の手続き一覧

久しぶりの投稿です。

最近、立て続けに事業を始めようとするかたから相談を受けました。

また雇用形態も多様化しており、企業に所属しながらサラリーマンのような雇用契約ではなく、個人事業主として企業と業務委託を結ぶケースも増えています。

さらに副業をしやすくなり、個人で確定申告をしなければならない人も増えていると思います。

自身で事業をする場合、事業内容や従業員の有無、経理方法等によって提出しなければならない書類と提出した方が良い書類等、複雑多岐に渡ります。

いざ事業を開始する際、申請書や提出書類が多すぎて何から始めた良いか、どこまで提出すれば良いかなど困惑するかと思います。

また行政に提出する書類だけでなく、設備資金・運転資金等の融資の準備資料や物件探し、準備のための打合せ等やることは尽きません。

そこで、この記事で開業したらやるべき必要なことを時系列でまとめてみます。

絶対にすること

下記のリンクに所得税に関する手続き関係が掲載されています。

国税庁HP参照

その中で、以下の届出は必ず提出してください。

・開業届 個人事業の開業・廃業等届出書 提出期限:開業から1ヶ月以内

・青色申告承認申請書 所得税の青色申告承認申請書

しかし、青色申告による控除(10万円、55万円、65万円)を受けるには一定の要件が必要です。

55万円の控除を受けるための要件

  1. 不動産所得又は事業所得に係る事業を営んでいること
  2. 複式簿記により記帳していること
  3. 2の記帳に基づいて、確定申告書に貸借対照表・損益計算書を添付して期限内に提出すること

国税庁HP参照

1については自身の行う事業に合わせて判断すれば問題ないですし、3については確定申告書に貸借対照表と損益計算書を添付すれば問題ないです。

2の複式簿記による記帳とは、簿記のルールに従ってちゃんと記帳してくださいといった内容です。

複式簿記による記帳ができていなければ55万円の控除を受けることができません。

65万円の控除を受けるための要件(令和2年改正)

  1. 55万円の控除を受けるための要件に該当していること
  2. その年分の事業に係る仕訳帳等について電子帳簿保存を行っていること
  3. その年分の確定申告書・貸借対照表・損益計算書の提出を提出期限までにe-taxを使用して行うこと

上記HP参照

65万円の控除を受けるためには1の要件に該当することは必須で、それに加え、3のe-taxで申告書を提出する必要があります。

これから事業を始めようとする人は2の電子帳簿保存について深く考える必要はなく、e-taxで申告書を提出することに注意してください。

青色申告のメリットを最大限に活かそうと思うとこれらの要件を満たす必要がありますが、複雑で難しいと感じる人でも青色申告を提出するだけで10万円の控除を受けることができるので、必ず提出しましょう。

 

配偶者や家族を従業員とする場合

よく奥さんを経理として給料を支給したいとの相談を受けます。

結論として、奥さんが他に仕事をしていない専業主婦の状態であればできます。

ただし、その場合2つの届出を提出する必要があります。

1.青色専従者給与に関する届出書

2.給与支払事務所等の開設届出書

3.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

1は家族の誰が従業員として働くことを伝える届出、2は給料を払うことを伝える届出、3は給料から控除する所得税を毎月納めるのは面倒なので1月~6月分を7月10日までに、7月~12月分を翌年1月20日までに納めますといった届出です。

それぞれ提出期限は異なりますが、全ての届出を開業時に提出する方が良いでしょう。

開業届と青色申告の申請はすぐにでも提出すべきですし、他の届出もとりあえず提出しておいても問題ありません。

開業当初は奥さんに給料を出すつもりだったけど、開業してみてすぐに事業が軌道に乗らなかったから給料を支給できなかった場合、後日取りやめの届出を提出すれば良いだけです。

反対に、給料を出すつもりがなかったけど、思いのほか事業が順調に進んで奥さんに給料を支給したくなった場合、届出を提出していなければ給料を支給しても経費になりません。

ですので、どうするかわからない場合はとりあえず提出しましょう。

他にも初期投資の額や設備投資の有無によって検討する届出もあります。

開業時は初めてのことばかりと思いますし、開業準備で忙しいかと思います。

開業後も事業が軌道に乗るための策を考えなければいけないですし、事業主のやるべきことはたくさんあります。

ですので、個人的には面倒な提出書類は税理士に任せて、開業前後の大事な時期は特に事業に専念した方がより良いスタートダッシュを切れると思います。

どの方法が有効かは個別的な判断が必要であり、税法は複雑で入念に検討する必要があります。

また、独立後については以下の記事を参照ください。

【必見】個人事業主の経費と生活費の境目

【必見】個人版節税方法15選

この記事に関心がある方は、お付き合いのある税理士に相談するか、

以下にてお気軽にお問い合わせください。

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*この記事は投稿当時の法律に基づくものであり、独自の解釈がごさいますので、参考の際はご注意ください。