【コロナ】緊急事態における資金繰り方法一覧
久しぶりの投稿です。
3月の確定申告が終わって3月決算5月申告の法人決算までの間、4月は少しゆっくりできてブログを頑張ろうと思っていた矢先、緊急事態宣言の発令により新型コロナウイルスの影響が大きくなって、資金繰りや助成金・補助金申請の問い合わせに対応していたら2か月ぶりの投稿になりました。
当初の目標、1ヶ月に1投稿の挑戦は失敗になりました。
しかし突発的な繁忙期と言い訳して、引き続き継続していきます。
さて今回は、新型コロナの対応から自分が得た緊急時の資金繰り方法をご紹介します。
運転資金の確保
コロナの影響がいつまで続くか誰もわかりません。
しかし、お金は日々出ていってしまいます。
今までに大量の内部留保があれば当面はやり過ごすことができますが、お金が無くなってしまうと待っているのは倒産です。
したがって、手元にお金がなければどうしようもありません。
まずは、いろんな手段を使ってお金を手元に残す方法です。
金融機関からの融資
コロナの影響で売上が確保できない場合、お金を増やす方法はひとつしかありません。
お金を借りることです。
コロナの影響を受けている場合、実質的に無利子・無担保で借りることができ、返済も一定の据置きができます。
コロナの初期段階で日本政策金融公庫が無利子・無担保での融資支援を打ち出していましたが、現在はほとんどの金融機関でも対応してくれます。
コロナは、業種を問わずほとんどの企業に影響を及ぼしています。
医療や福祉などの非営利事業も例外ではありません。
そのような事業でも、社会福祉医療機構から同様の融資を受けることができます。
福祉医療機構参照
新型コロナウイルスによる融資支援の要件に該当するならすぐに申し込むべきです。
今はコロナの影響が少ないかもしれない場合でも、将来どうなるかは予想できません。
影響が大きくなってから申し込んでも、融資はすぐにおりません。
申込みが殺到しており、金融機関も対応に追われています。
今回の融資支援は実質無利子、一定の返済猶予が認められていますので、支出が少ないのであれば借り入れたお金をプールしておいて、コロナの影響が落ち着いて来たら返してしまえば良いのです。
持続化給付金の申請
売上高が前年同月比50%以上減少していれば申請できます。
個人事業主であれば最大100万円、法人であれば最大200万円が支給されます。
申請期間は来年の1月までです。
まだ影響を受けていなくても、いつ影響を受けるかわかりませんので、日々の記帳を済ましておきましょう。
申請方法もそこまで複雑ではないです。
でも、提出書類に不備があると突き返されることもあります。
僕も1件頼まれたので申請してみたのですが、突き返されました。
再度提出し、承認待ちです。
雇用調整助成金
この助成金の申請も依頼を受けて対応していますが、企業によって就業規則が異なり、事業規模によって申請方法が異なり、給付額や制度自体が頻繁に変更されるので複雑です。
ざっくりと要件を説明すると、
・企業が雇用保険に加入している
・コロナウイルスによる売上の減少
・従業員を休業させている
・休業した日も休業手当として支給している
となっています。
雇用調整助成金は元々あった制度ですが、コロナによる制度は支給条件が緩和されており、本来は雇用保険に加入している従業員のみが対象でしたが、今回は雇用保険に加入していないパート・アルバイトの方も対象となります。
自己資金の活用
この方法は、全ての人が対象ではありませんが、自分が対象であれば活用すべきです。
資金確保の方法として、
・経営者等からの役員借入
・保険会社の契約者貸付制度の利用
・小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付等の利用
・中小企業倒産防止共済制度の一時貸付金等の利用
これらを活用することによって資金を確保することができます。
その他にも、自治体や業種によって様々な補助金を受けることができますのでご活用ください。
支出を減らす
繰り返しになりますが、事業を維持するためにはお金を減らさないことが重要です。
上記では、資金を確保する方法を紹介しましたが、次は確保した資金を減らさない方法を紹介します。
納税猶予を申請する
コロナウイルスの影響を受けた企業は申告期限の延長・納税猶予を受けることができます。
国税庁HP参照
この制度を利用して、納税を先延ばしにしましょう。
納付期限は、原則申告書の提出日となりますので、コロナの状況と自社の資金繰りを勘案して、納税した日以降に申告書を提出します。
金融機関に申告書の提出を求められて、申告書を先に提出しなければならないケースもあると思います。
その場合は、納税の猶予申請書を提出する必要があります。
社会保険料の猶予を受ける
税金と同様に、社会保険料の納付も猶予を受けることができます。
厚労省HP参照
これについては僕自身取り組んでいないので、リンクを確認ください。
たぶん、条件等は同じようなものになっていると思います。
既存融資の見直し・リスケ
既存の借入の利率や返済条件を見直します。
例えば、
・返済の猶予を依頼する
・返済期間を延ばして毎月の返済額を減らす
・金利の利率が高ければリスケして新たに借り換えて、利率を下げる
・コロナの特別融資を利用して既存融資の借換えを依頼する
などがあります。
固定費の削減
固定費とは、何も営業活動をしていなくても発生してしまう費用のことで、家賃や電話代、水道光熱費などのことを言います。
固定費の削減は業種によって効果は異なりますが、有効な手段です。
特に今回のコロナの影響が大きい業種は、固定費が占める割合が大きいと思います。
ですので、自社の固定費を見直すことで、手元の資金を確保することができます。
例えば、
・家賃の値下げ・猶予の交渉
・携帯電話を格安スマホに変更して通信費を減らす
・電気・ガス料金の支払猶予
などがあります。
さらに、人件費も固定費の一種です。
雇用調整助成金の関係もありますので、従業員の人件費をどうするかは個別的な対応が必要となりますが、経営者等の役員報酬を減額することで固定費を抑えることができます。
役員報酬は原則「定期同額」ですが、コロナでの税務上の取扱いについて国税庁が「業績悪化改定事由に該当する」と回答していますので、役員報酬を減額することができます。
一方で、役員報酬は減らしたくないけど支払いがあるのでお金は残しておきたいと思う経営者もいるかと思います。
その場合は、毎月役員報酬を未払計上しておいて、資金繰りに目処がついたときに支給すれば問題ないです。
まとめ
他にも、企業によって資金を確保する方法があるかもしれませんが、これらの方法が会社に資金を残す方法です。
まずは、収入が減った中で資金を確保(キャッシュイン)して、確保した資金を日々の業務において出ていかない(キャッシュアウト)ようにするべきです。
これらの方法は、コロナ等の不測の事態が発生した場合に見直されがちですが、普段からも心掛けておくとより効果的でしょう。
また、コロナ関連の融資や助成金を申し込む場合、絶対に必要な資料が前年対比の売上高です。
4月、5月と、「今年の売上を教えてほしい」といった問い合わせをよく受けました。
突貫工事で対応させていただきましたが、やはり毎月の記帳をしているところの方が融資や助成金が決まるスピードが早いです。
【無利子・無担保】コロナウイルスから見る経理・月次監査の重要性
以前も投稿しましたが、みんなが申請や申込みに殺到するので、遅れれば遅れるほど順番が後回しになります。
融資でも早いところは1、2週間だったのが、遅いところでは2か月後と大きな違いでした。
結論、緊急時の資金繰り対策は、キャッシュインによる資金確保とキャッシュアウトの見直し、それと日々の記帳の重要性だと感じました。
コロナによって、今後どうなるかは誰にもわかりません。
この記事をぜひ参考にしてください。
どの方法が有効かは個別的な判断が必要であり、税法は複雑で入念に検討する必要があります。
この記事に関心がある方は、お付き合いのある税理士に相談するか、
以下にてお気軽にお問い合わせください。
*この記事は投稿当時の法律に基づくものであり、独自の解釈がごさいますので、参考の際はご注意ください。
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